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寿司屋事典

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保存するための発酵食品が原点!「なれ寿司」とは?

なれ寿司とは、白米に魚や肉を漬け込み、自然発酵させる貯蔵法の一種で、現代に伝わる寿司の最初のかたちだと言われています。東南アジアで生まれ、その後日本に伝わりました。最近ではあまり見かけることのない寿司ですが、滋賀県のフナ寿司にその原型を見ることができます。

寿司の原点であるなれ寿司

寿司の原点であるなれ寿司

なれ寿司は、現在の日本の寿司の原点とされる料理です。東南アジアで魚や肉を保存する目的で考え出されたもので、紀元前に中国に渡り、奈良時代に日本へと伝わりました。

フナ寿司に見る、なれ寿司の作り方

フナ寿司を例にとり、なれ寿司の作り方について詳しく説明します。まず、フナのウロコや浮き袋を取り除くといった下処理を施します。次に、桶などに魚と大量の塩を交互に入れ、重石を乗せて1ヵ月以上漬け込みます。フナの身全体が固く締まる程十分に浸かったら、水に漬けて塩を抜きます。再度桶を用意し、かために炊いたごはんと魚を交互に敷き詰めます。一番上の段にはごはんを厚めに盛り、竹の皮や中蓋をして重石を乗せます。これにより乳酸が生成され、魚の発酵が進みます。

なれ寿司は、ごはんを食べない

漬け込み期間は魚の大きさによっても異なりますが、3ヵ月を過ぎた頃には食べられる状態になります。なれ寿司は、発酵の過程でごはんがドロドロに溶けるため、食べる際にはごはんを取り除き、漬け込んだ魚のみを食べます。

すし=酸っぱいもの

そもそも「すし」とは、「酸っぱいもの」という意味の「酸い(すい)」に由来する言葉です。握り寿司に代表されるように、現在は炊いたごはんに酢を混ぜ合わせて作る寿司が一般的ですが、酢が誕生する室町時代までは、食べ物に酸味を施すには発酵という手順をふむ必要がありました。

かつて作られていたなれ寿司

現在では見ることはできませんが、かつては、山口県や福井県ではサバを材料にしたなれ寿司が、千葉県ではイワシのなれ寿司が作られていたようです。北海道では、ウサギやクマ、シカなどの獣肉を用いたなれ寿司が作られていたとも伝えられています。

海外のなれ寿司

なれ寿司が東南アジアで生まれたことは先にご紹介しましたが、その他の国で作られているなれ寿司には以下のようなものがあります。

台湾

台湾の山村地域では、渓流で捕れたアユや川魚だけでなく、豚やイノシシ、シカなどの肉をごはんに漬け、なれ寿司を作る伝統があります。この地域ではなれ寿司のことを「トマメ」と呼んでいます。

タイ

タイにおいて、なれ寿司は「パー」「ハー」「プラチャオ」などと呼ばれています。地域により作り方は様々ですが、小さく切った魚を塩漬けにしてもち米を使用する方法や、少量のぬかを加える方法などがあります。どの地域でも、唐辛子やニンニク、大量の香辛料を使用するのは共通です。

ボルネオ島

ボルネオ島に伝わるなれ寿司の作り方は、漬け込む容器に竹筒を使用することが特徴に挙げられます。調理法はとてもシンプルで、川魚とごはんと塩を混ぜたものを竹筒に入れ、バナナの皮で蓋をします。その後、土に埋めて数週間置き発酵を促します。現地では、「ジャルク」「ルサン・ブロ」「チャンチャロク」などと呼ばれています。