うどんの食べ方と種類/ホームメイト
日本の食卓に欠かせない国民食「うどん」は、やわらかくもちもちとした食感と素朴なおいしさで、子どもからお年寄りまで幅広い世代に愛されています。シンプルなかけうどんから地域色豊かな郷土うどんまで、その種類は多彩。「讃岐うどん」(さぬきうどん)、「稲庭うどん」(いなにわうどん)、「きしめん」など、各地で育まれた個性的な麺と、それを引き立てる多様なだしの組み合わせは、日本の食文化の奥深さを物語っているのです。うどんの基本的な食べ方から地域ならではの味わい方までご紹介します。
うどんの基本的な食べ方

うどんには温かいうどんと、冷たいうどんがあり、温かいうどんを食べる際は、器を利き手と反対の手に持ち、利き手の箸で3〜4本の麺をまとめてすくい上げます。まずはだし汁を2、3口すすって温度と味を確かめてから、その後うどんと具材を交互に口へ。だし汁は適度に飲みながら食べ進めることで、温度調節と味わいの変化を楽しめます。
冷たいうどんは、食べる直前に薬味を載せ、つけ汁やだし汁を少しずつかけて食べましょう。麺は箸で手前から奥へとすくい、麺とだし汁を一緒に口へ入れます。
だしは、大きく分けて関東風と関西風だしの2種類。関東風だしでは、かつお節を主体とした濃いめのだしが特徴で、醤油の風味が強く、こってりとした味わいです。関西風だしは、昆布とかつお節で引く澄んだだしが特徴。上品な味わいで、うどんの風味を引き立てます。他にも、イリコ(煮干し)を主体としただしが一般的な香川県の「讃岐うどん」、たまり醤油を使用していることからつゆの色が濃い「伊勢うどん」なども有名です。
箸づかいは、麺をまとめる際に切れないよう注意し、すくい上げたあとは器の縁で余分なだしを切り、箸先で麺を押さえ付けすぎないよう気を付け、具材は箸の根元でつまむのがコツ。また、具材の食べ方は、大きな具材は箸で押さえながら少しずつ食べ、薬味は麺と一緒に口に運びます。天ぷらなどの揚げ物は、先に半分程度食べてから麺と一緒に楽しむと良いでしょう。
うどんの種類と食べ方
かけうどん・素うどん

かけうどん・素うどんは、熱いだし汁をかけた基本的なうどんの食べ方です。
青ネギ、生姜、七味唐辛子などの薬味と天かすを好みで加えて楽しみます。シンプルな分、だしの風味とうどんの食感を直接味わえるのが特徴。上品なだしの味わいを堪能できる一品で、うどんの基本的なおいしさを知るのに最適です。季節を問わず親しまれる、うどん屋の定番メニューと言えます。
店舗によってだしの配合が異なり、同じかけうどんでも独自の味わいがあるのも魅力のひとつ。関西と関東ではだしの特徴が大きく異なり、食べ比べるとその違いを楽しめます。
ざるうどん

ざるうどんは、冷水でしめた麺をざるに盛り、濃い目のつけ汁で食べる夏の定番メニュー。薬味として刻みネギ、わさび、刻み海苔を添えるのが一般的です。つけ汁は濃い目の味付けで、麺の喉越しの良さを引き立てます。
手前から順に麺をすくい、つけ汁を浸けて食べるのが基本的な作法。暑い季節に食欲をそそる、さっぱりとした一品です。冷たい麺の表面についた水分がつけ汁で薄まらないよう、食べる直前に軽く振って水気を切るのがコツ。旬の時期には大葉やみょうが、すだちなどの夏の香味野菜を添えるとさらに風味が増します。
つけ汁は店によって昆布の風味が強い物や、かつおの風味が効いた物など個性があり、その違いを楽しむのもざるうどんの醍醐味です。
ぶっかけうどん

ぶっかけうどんは、麺の上に様々な具材や薬味をのせ、だし汁をかけて楽しむスタイルのうどんです。季節によって具材が変わり、夏は梅や大葉、冬は温泉卵や天ぷらなどを使います。だし汁は少量の濃いめのつゆを麺に直接かけて食べるスタイルが特徴のひとつ。具材の種類や組み合わせで味わいが変化する、多彩な食べ方を楽しむ一品です。
発祥は香川県と言われ、もともとは素朴な家庭料理として親しまれていました。おろし生姜やみょうがなど、香りの強い薬味を効かせると食欲が増進し、暑い日でもさっぱりと食べられます。
釜揚げうどん

釜揚げうどんは、茹で上がったうどんを湯切りせずにそのまま提供し、濃いめのつけ汁に浸けて食べる調理法です。麺は熱いうちに食べるのがおすすめ。シンプルながら、うどん本来のおいしさを堪能できる逸品です。職人の茹で加減の技が光る、うどん通好みのメニューと言えます。
釜揚げうどんは、茹で上がりの熱さを保つため、温かい丼に盛り付けるのもポイントのひとつ。生姜やみょうがなどの薬味を加えると、香りが麺に移り、より深い味わいになります。うどんの表面に残った茹で汁のでんぷん質がだしと混ざり、独特のとろみが生まれるのも魅力。食べ進めるうちに味が変化する楽しさもあります。
つけ汁うどん

つけ汁うどんは、温かい麺を冷水でしめ、熱いつけ汁で食べるうどんです。
つけ汁は、かつおだしベースの濃い目の味付けが基本。麺は少量ずつすくい、つけ汁に浸して食べるのがポイントです。温かい麺とつけ汁の温度差が味わいを引き立てます。ざるうどんとはまた違った、独特のおいしさが楽しめるのが特徴です。麺を浸すとき、長く浸しすぎるとだしが冷めてしまうため、素早く口に運ぶのがコツ。つけ汁には七味唐辛子や山椒などの香辛料を加えると、温かさと辛さで体が温まり、冬場でもおいしく食べられます。
具材入りのつけ汁も多く、鴨や牛肉、きのこなどの旨味が溶け出した濃厚なつけ汁は、麺との相性が抜群。最後にだし汁にお湯を加え、スープ割で飲み干すのも楽しみ方のひとつです。
煮込みうどん

煮込みうどんは、うどんと具材を一緒にじっくり煮込む、寒い季節の定番メニューです。
だしと具材の旨味が麺に染み込み、心も体も温まる一品。具材は季節の野菜や肉、卵などを使います。家庭でも人気の高い、素朴で温かみのある料理です。地域によって特色があり、名古屋の「味噌煮込みうどん」は八丁味噌を使った濃厚な味わいが特徴で、土鍋で熱々のまま提供。関東では鶏肉やねぎ、油揚げを具材に加えた醤油ベースの煮込みうどんが一般的です。
煮込む時間によって麺の食感が変わり、わざと芯を残したりやわらかめまで好みで調整できたりするのも特徴のひとつ。残ったスープにご飯を入れて雑炊にするという締めの楽しみ方もあります。
焼うどん

焼うどんは、茹でたうどんを野菜や肉と一緒に強火で手早く炒めるメニューです。
醤油やソースで味付けし、具材の旨味を麺に絡めて仕上げます。麺をやわらかくしすぎないことがコツで、ほど良い歯ごたえを残すのが理想です。具材は地域や店によって様々で、その土地ならではの味わいを楽しめます。うどんのアレンジメニューとして人気の一品。焼きそばと似ていますが、うどんの太い麺ならではの食感と、麺に絡むソースの相性が抜群です。
広島や山口では「瓦そば」という緑茶で練った麺を熱した瓦の上で焼く郷土料理も。家庭では冷蔵庫の残り物で手軽に作れる点も人気の理由で、子どもから大人まで幅広い世代に愛されています。
うどんすき

うどんすきは、関西発祥の鍋料理で、だし汁で野菜や肉を煮込み、最後にうどんを入れて食べます。すき焼きのような贅沢なだしでうどんを味わう、特別な一品で、具材の旨味が溶け出ただしとうどんの相性は抜群です。締めのうどんの最後の一滴まで楽しめる贅沢な鍋料理のひとつで、寒い季節の宴席メニューとして人気。大阪の「美々卯」(みみう)が発祥とされ、伝統的には鴨肉を使いますが、現代では牛肉や豚肉、海鮮類など様々な食べ方があります。
鍋に使う昆布はだし用の高級な物を使い、醤油や砂糖で繊細な味に調えるのが特徴。野菜は白菜や水菜、しいたけなどを用い、最後にうどんを入れることで野菜から出た旨味をすべて吸収した贅沢な一杯になります。残っただし汁に溶き卵を落とし、雑炊風にして締めるのもおすすめです。

