ご希望の飲食店情報を無料で検索できます

クックドア

文字サイズ

お好み焼き屋事典

お好み焼き屋事典

焼きそばと卵を鉄板で混ぜ合わせる!せち焼きの魅力

和歌山県中部、紀伊水道に面した御坊市で食べられている鉄板料理が、「せち焼き」です。「せち」とは地元の方言の「せちがう」に由来しており、これは「滅茶苦茶にする」「乱暴にする」などという意味です。お好み焼き店「やました」の初代店主・山下夏子さんが1955年(昭和30年)頃、お客さんに「焼そばを卵とせちごうて」、つまり「焼そばを卵で思いっきり混ぜて焼いて」とのオーダーを受けたことから誕生したこのメニュー。一人のお客さんのわがままに応えようとした初代店主の味が、今でも人気を博しています。

焼きそば+卵のボリュームがおいしい!

焼きそば+卵のボリュームがおいしい!

「せち焼き」は、鉄板の上で焼そばと卵を混ぜ合わせた物。小麦粉を使わずに仕上げる、一風変わった鉄板焼料理です。見た目はお好み焼きのようですが、材料や作り方の違いを知ればまったく別の料理であることが分かるでしょう。卵で焼そばをあえていることからふわふわとしたマイルドな食感がおいしく、十分な満腹感が味わえるボリューミーなメニューです。和歌山県内でも地元御坊市周辺の人にしか知られていない時期もありましたが、近年はB級グルメのブームの影響で、地元関西地方のテレビ局をはじめ全国放送の取材が行なわれたこともあり、広くその名が知れることとなりました。

老舗店「やました」のせち焼きの作り方

せち焼きの元祖と言われる「やました」での作り方を紹介します。

1.具材を鉄板に乗せて焼く
鉄板を熱し、油を薄く引いた上にキャベツ、肉などの具材を乗せて焼いていきます。「やました」のメニューにはイカ、豚肉、牛肉、そしてそれらのミックスがあります。
2.そばを焼く
具材にしっかりと火が通ったら、その上にそばを乗せて焼きます。そばがしんなりしてきたらウスターソースをかけ、よく混ぜます。
3.ドーナツ状に広げ、玉子を入れる
さらにしばらく熱したら、秘伝の濃い口ソースをかけます。ソースを全体になじませたら、コテを使ってドーナツ状に広げます。もんじゃ焼きで「土手」を作る要領です。中央の穴部分に卵を割り入れ、しばらく熱したあと、コテで全体を勢い良く混ぜていきます。これが「せちごうてる」状態です。
4.熱が通るまで焼き、味を付ける
せちごうたら、コテで形を整え、全体に熱が通るまで焼いていきます。裏面が焼けたら2枚のコテを使って裏返し、再び秘伝の濃い口ソースを刷毛で塗ります。この際にお好みでマヨネーズをトッピングすることもできます。さらにその上にかつお節と青のりをふりかけて完成です。

「せち焼き」は商標登録!

2011年(平成23年)、「せち焼き」の名称が、初代店主の似顔絵をデザインしたロゴマークと共に商標登録されました。つまり今後、他のお店では「せち焼き」の名前は使用できず、「せち焼き」は「やました」でしか商品として提供できないこととなりました。元祖の味を楽しみたい方は、和歌山県御坊市に足を延ばしてみるのも良いでしょう。その手際の良さを間近で見て楽しむのも、「せち焼き」の醍醐味だと言えます。