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居酒屋事典

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料理ができるまでの時間をつなぐおつまみ「お通し・突き出し」

「先付け」とも呼ばれるお通しや突き出しは、料理を注文する前に卓に出される小鉢のことです。たいていの店は席に着くとすぐに出してくれます。

小さく料理が盛られたお通しは、料理ができ上がるまでの時間をつなぐ酒のつまみとしての役割や「新しい客を席へお通しした」ことを厨房にいる板前が了解した(料理を作る準備ができた)という意味を持ちます。関東では「お通し」、関西では「突き出し」と呼ばれていますが、ここでは表記を「お通し」に統一して紹介します。

お通しは断れるもの?

お通しは断れるもの?

お客が注文した訳でもないのに出されるお通しは、店によって200~400円程料金が加算されます。お通しは席料の意味も持つため、もし、好みに合わないお通しが出されて断ったとしても、料金には加算される可能性があります。口に合わないお通しが出された場合は、苦手な食べ物だとやんわり伝え、「他のものに変えてもらえませんか」と頼んでみましょう。店によっては取り替えてもらえることもあります。基本的に居酒屋とお通しはセットになっています。居酒屋の文化のひとつとして理解するほうがベターです。

料理人のお通しへのこだわり

お通しはその店の料理の実力であり、自身で選んで注文する訳ではないのでどんな料理が出てくるか期待感が高まります。枝豆、だし巻き卵、煮物、ほうれん草のおひたし、自家製イカの塩辛など、小鉢や小皿の中に店主のアイデアと想いが詰まっています。お通しがおいしい店は、他の料理にもおのずと期待が持てます。お通しは店を知るひとつのバロメーターとも言えるのです。

世界のお通し

果たして「お通し」は日本だけの慣習なのでしょうか。調べてみるとフランス、イタリア、韓国にもお通しと似た意味を持つものがあります。

フランスの「アミューズ」

フランス料理店などに入ると黒板に「本日のアミューズ」と書かれていたり、店のスタッフが「本日のアミューズです」と言って料理を運んできた経験はありませんか。店によっては「アミューズブーシュ(amuse bouche)」や「アミューズブッシュ」と表記されるアミューズは、「お楽しみ」の意味。コース料理の中の一品ですが、シェフの心遣いで用意された小皿で、ワインとともに無料でお客にふるまわれます。日本の「お通し」と同じように、シェフの料理の腕を披露する意味を持ち、品数は1~2品で、シェフ自らの判断で内容が決まります。ちなみに、「アミューズブーシュ」の「ブーシュ」はフランス語で「口」。口を楽しませるという意味です。

イタリアの「ストゥッツィキーノ」

「ストゥッツィキーノ(stuzzichino)」とは、一口で食べられる前菜やおつまみのことです。主にピクルスやオリーブのオイル漬け、グリッシーニ(固いスティックパン)、ブルスケッタ(ニンニクをこすりつけ、塩・こしょうをし、オリーブオイルをたらしたパンに刻んだトマトなどをトッピングしたもの)などが出てきます。日本におけるお通しと同じで、席に着いて食前酒をオーダーするとすぐに出され、飲食代に加算されます。

韓国の「ミッパンチャン」

焼肉などの韓国料理店では、オーダーした料理以外に、キムチやナムルをはじめ、チヂミ、ポテトサラダ、煮物、炒め物など、作り置きしたおかずが数種類出てきます。これを「ミッパンチャン(및반찬)」と言い、ご飯のお供として楽しみます。お代わり自由で無料のミッパンチャンは、まさにオモニ(母)の味。食べきれない程の量で客をもてなし、食べきれないことを美徳とする韓国の文化から生まれたものです。韓国では、食べ残すことがマナーとされているので、無理をして全部食べなくても良いでしょう。