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おせち料理は、お正月を祝う日本の伝統料理です。おせち料理のレシピは、全国各地で多種多様。結婚して初めての年明けを迎える際は、おせち料理の具材や味付けが夫婦間で異なり戸惑うこともあります。それぞれの地方の気候や風土が反映されたおせち料理は、日本の歴史の縮図です。年明けを華やかに彩るおせち料理を、地方別にまとめていきます。

岸ゆうなと岸ゆづる
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【グルコック】

お正月と言えば「おせち」!その起源と由来。全国の違いまとめ

お正月と言えばおせち!その起源と由来と全国のおせち

日本で年始におせち料理を食べる習慣が始まったのはいつ頃でしょうか。歴史をひも解くことで、古来よりお正月が日本人にとって意義深いものだったことがうかがえます。

現代程、交通事情や、情報の通信手段が発達していなかった頃からあったとされるおせち料理。

各地の特色が反映された個性豊かなレシピが今もなお残っているのは、そういった歴史背景があるからです。

おせち料理に使用される具材に込められた意味や由来を知ることで、お正月を迎えるのがより楽しくなります。

おせち料理の起源と由来

おせち料理の起源と由来

おせち料理の起源は、弥生時代にさかのぼります。狩猟によって食糧を調達していた日本人に、稲作の習慣が根付いた弥生時代。

農耕により、狩猟時代よりも安定した食がもたらされたことが、おせち料理を始めとする余剰文化を生み出す大きな要因となりました。

中国より、暦という概念が日本に伝わったのもこの頃だと言われています。

季節の節目に合わせて、収穫物をもたらしてくれる神々に感謝をささげるため、作ったのがおせち料理の始まりです。

「おせち」という言葉は、中国からもたらされた五節供(「五節句」とも書く)の行事に起源を持つ「節会(せちえ)」「御節供(おせちく)」の略であるとされています。

五節供とは、1月7日の七草の節供、3月3日の桃の節供、5月5日の菖蒲の節供、7月7日の笹の節供、9月9日の菊の節供という5つの節供を指す中国古来の暦法。そのなかでも正月は最も重要な日とされました。

暦に合わせて儀式を行なう習慣は定着していき、平安時代には天皇が行なう宮廷行事となります。

その頃のおせち料理は現代の物とは違い、重箱には入っておらず、器に高く盛られた物が主流。

江戸時代ともなると、おせち料理は庶民にも浸透していきます。江戸時代のおせち料理は、庶民の間で「食積(くいつみ)」「蓬莱」などと呼ばれ、おせち料理という呼称が定着したのは戦後になってからのことです。

正月三が日を通しておせち料理を保存しておくためにも機能的な重箱は、箱を重ねることから、福を重ねるというおめでたい意味に解釈されています。

従来は各家庭で手作りされるのが一般的でしたが、女性の社会進出と核家族化の影響もあり、現代ではデパートからコンビニまで、様々な業態の小売店が年末商戦を繰り広げる商材となりました。

おせち料理に使われる具材と意味

おせち料理に使われる黒豆、数の子、田作りの意味

育った地方や、家庭によって様々な形があるおせち料理。

「祝い肴三種」「三つ肴」と呼ばれる黒豆・数の子・田作りは、多様性のあるおせち料理のなかでも、比較的全国に共通する具材です。

そこに込められた意味を知ることで、おせち料理をより深く楽しむことができます。

黒豆

黒豆は大豆の一種で正式名称は黒大豆と言い、平安時代に編纂された辞書にも登場することから、古くから日本の食文化に根付いていた食材です。

おせち料理に黒豆が加わるきっかけと言われているのが、こんにゃくと黒豆を炊き合わせた「座禅豆」という料理。

日本には昔から、黒色は邪気を払う力があるという信仰があり、黒豆は祭事や儀式に古くから重宝されてきました。

地方によって、しわが寄るまで煮込むところと、しわが寄らないようふっくら煮込むところがあります。

家族みんなが「まめ」に働けるようにという願いが込められた、古来より大切にされているおせち料理のひとつです。

数の子

数の子は、にしんの卵を天日干しにしたり、塩漬けにしたりした物。祝いの席の料理には欠かせない料理で、おせち料理の他にも、結婚式などの席にもふさわしい料理です。

にしんのお腹のなかにはたくさんの卵がぎっしりつまることから、数の子は子孫繁栄の象徴として古くより日本人に愛されてきました。

にしんという魚の名を「二親」とかけて、両家の両親がいつまでも元気でいられるようにという願いも込められています。

かつては、日本でも北海道を中心に、にしん漁が盛んでした。日本国内でのにしんの漁獲量は激減したのが1955年(昭和30年)頃のこと。

今では、カナダやアメリカからの輸入品が市場に多く出回るようになり、国産の数の子は高級品として希少な物となりました。

独特のぷちぷちとした食感と塩気の利いた味付けは、老若男女に愛されています。

田作り

田作りは、カタクチイワシの稚魚を素干しした物を甘辛く炒め煮した物。地方によっては「ごまめ」とも呼ばれる、おせち料理でよく見かけられる魚料理です。

魚でありながら「田作り」という名が付いているのは、田植えをする際、カタクチイワシが肥料として使われたことが由来と言われています。

ごまめは漢字で書くと「五万米」です。古来より、農耕によって食糧調達や経済活動を行なってきた日本人。

田作りもごまめも、呼び名は違えど五穀豊穣への願いが込められています。

各地のおせち料理と特色

各地のおせち料理と特色

山や川に隔てられていた日本の各地域が、現在のように物流や情報伝達の発達によって均一化される前の特色が色濃く残っているおせち料理。

先ほど紹介した「祝い肴三種」も、実は関西と関東で中身が異なることが知られています。

黒豆と数の子は共通ですが、残りのひとつが田作りとなるのが関東、たたきごぼうとなるのが関西です。

たたきごぼうとは、4~5cmに切りそろえて茹でたごぼうを、繊維を砕くように棒や包丁の峰などでたたいて、酢や醬油であえた物。

近畿地方で、神道の儀式の際に供えられていた料理がおせち料理に転じたものと考えられています。

他にも、特色が出やすいのは。現代では養殖や運送の技術が進み、季節や地域など関係なく魚を入手できるようになりましたが、使われている魚を見れば、その地域古来の特産品が読み取れるのもおせち料理の特徴です。

北海道では、が多用されます。秋田県でよく使われるハタハタは、他の地域ではあまり見られることのない珍しい魚です。

関西で多用されるのはブリ出生魚で、縁起物とされています。数の子や煮しめなどの味付けに使われる調味料も、関東と関西で異なる点です。

関東は色も味も濃い濃口醤油が使用され、関西では色が薄く塩気の強い薄口醤油が使用されます。

さらに地域を細分化してみると、独特の食文化がおもしろいおせち料理。地域別に特徴的な料理を見ていきましょう。

北海道・東北地方のおせち料理

北海道・東北地方のおせち料理なます

お正月の頃には、雪深い風景が広がる東北地方。なかでも蝦夷地として独特の文化を育みながら、日本の水産業の拠点として重要な役割を果たしてきたのが北海道です。

新鮮な魚が手に入りやすい北海道ならではの料理を紹介します。

氷頭なます(北海道)

大根と人参が織りなす紅白が、見た目にもめでたいなますは、全国のおせち料理でよく見かける品目。

北海道では、名産品である鮭の鼻の軟骨、氷頭(ひず)をなますに入れます。こりこりとした独特の食感がおいしい氷頭は甘めの味付けで仕上げましょう。

作り方は、通常のなますを作るのにひと手間加えるだけです。薄切りにした氷頭に塩を振り、酢で洗い流したあと、しばらく酢に漬けておきます。

あとは通常通り作ったなますに氷頭を加えて、お好みでイクラ柚子の皮をのせれば完成。

氷のように透き通った氷頭が美しく、こりこりとおいしい一品です。

関東地方のおせち料理

関東地方のおせち料理

江戸時代になり、都が東京に移されてからは日本の歴史の中心地として発展してきた関東地方。

太平洋に面した千葉県は、古くから豊富な海洋資源に恵まれた土地でした。おせち料理にも、海の幸が贅沢に使われています。

海藻こんにゃく(千葉県)

九十九里浜から銚子地方にかけて正月に食べられる海藻こんにゃく

「本海藻」という名で知られるコトジツノマタ「新海藻」と呼ばれるイボツノマタを水洗いし、鍋で煮たあと、型に流し入れ、こんにゃくのような形に固めた物です。

シンプルな調理法で、海の栄養を凝縮した一品なので、つい食べ過ぎてしまうお正月の箸休めとして愛されています。

関西地方のおせち料理

関西地方のおせち料理棒ダラ

古くから都が置かれた奈良・京都をはじめ、天下の台所と呼ばれた大阪を擁す関西地方。なかでも、伝統的な日本料理の技術が今なお受け継がれているのが京都です。

他と一線を画す、京都のおせち料理を紹介します。

棒ダラの煮物(京都府)

流通手段が発達していなかった時代、日本では日持ちしない魚を遠くまで流通させるために保存食にする技術が発達しました。

棒ダラは、獲れたてのタラの頭と背を取ってから3枚におろし、1~2ヵ月天日干しにした物です。

乾燥したタラは、棒のような形状になり非常に硬いため、棒ダラと呼ばれるようになりました。

調理するには、朝晩に水を取り替えながら、棒ダラをたっぷりの水に3日間浸けるところから開始。

棒ダラは水を吸収してはじめて、包丁が通る程のやわらかさとなります。3~4cm幅に切って、たっぷりの水とともに火にかけ、こまめにアクを取りましょう。

途中で水が少なくなったら適宜追加。やわらかく煮込まれた棒ダラを、冷水にとってよく洗い、水気を切ります。

戻った棒ダラは独特の匂いが特徴。腐敗臭に似た匂いがしますが、腐っているわけではありません。

洗い終わった棒ダラを、だし、醤油、みりん、砂糖で煮汁が少なくなるまで煮詰めれば完成。手間暇かかった棒ダラの煮物は、絶品です。

中四国地方のおせち料理

中国・四国地方のおせち料理

穏やかな気候が柑橘類などの農業を発展させてきた中四国地方。日本海、瀬戸内海、太平洋という3つの海に囲まれ、海産物にも恵まれています。

海と山に囲まれた広島県で作られる、特産のあなごを使った料理を見ていきましょう。

賀日あえ(広島県)

海と山に囲まれた尾道市は、古来より豊かな農作物と海産物に恵まれてきた土地です。

あなごは広島県の特産品のひとつ。海の物と山の物が一度に楽しめる土地だからこそ生まれたのが賀日あえです。

材料は、あなご、ほうれん草、醤油、砂糖、酢、白ごまを用意します。

まず、開いたあなごを照り焼きにし、ひと口大に切っておきましょう。

次にほうれん草を茹でますが、水気が残っていると、調味料と混ぜたとき味がぼやけてしまうので、よく水気を切ります。

あなごとほうれん草を調味料であえれば完成。白ごまは煎っておくと、より風味が増します。

九州地方のおせち料理

九州地方のおせち料理がめ煮

日本のなかの南国と称されることもある、宮崎や鹿児島を擁する温暖な気候の九州地方。

陸路で本州とつながっていないという地理でありながら、歴史に名を残す偉人を多く輩出してきました。

現在では全国に浸透した筑前煮は、福岡が発祥の地です。

がめ煮(筑前煮)(福岡県)

筑前煮として全国に知られる料理は、福岡で「がめ煮」と呼ばれています。由来は諸説ありますが「寄せ集める」という意味の博多弁「がめくり込む」が有力な説。

その名の通り、様々な材料を寄せ集めた贅沢な煮物は、お正月を飾るにふさわしい料理として全国で愛されています。

がめ煮の特徴とも言えるのは、最初にすべての具材を炒めることです。

日本各地に煮物のレシピは多数存在しますが、他と一線を画すのがこの点。

煮込む前にひと手間かけることで、食感や味のしみ方が良くなります。

煮物に使われる肉は鶏肉。鶏肉の消費量上位に福岡が位置しているのは、がめ煮をよく作るためとも言われる程です。

シイタケは、戻し汁を煮汁に使うため、干しシイタケを使用。最初にひと口大に切った鶏肉を炒めます。

鶏肉の色が変わったら戻した干しシイタケ、下ゆでしたこんにゃく、乱切りにしたごぼう、れんこん、人参、大根、タケノコなどの野菜を順番に入れますが、固い野菜から順に入れていくのがおいしく仕上げるコツ。

油が全体に回ったら、だし、醤油、酒、みりん、砂糖を加えて、煮立ったらアクを取り除き、ふたをして10分程煮たところで全体を返して、さらに10分程煮ます。

十分火が通ったら、汁気を飛ばすように火力を強め、全体に照りを付けます。

器に盛ったあとに、さやいんげんなどの緑を足せば、お正月を豪華に飾るがめ煮の完成です。

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