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ファミレス事典

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日本の三大洋食「カレーライス」

一般に、日本で「洋食」と呼ばれるものは、明治期以降、西洋料理を日本に定着させる過程で日本風のアレンジが加えられて誕生した、いわば和洋折衷料理です。大正期に、コロッケやとんかつとともに、三大洋食と呼ばれた「カレーライス」もそのひとつです。

英国料理として伝わった「カレー」

英国料理として伝わった「カレー」

カレーは、"イギリス料理"として日本に入ってきたものです。「えっ? インドじゃなくて?」という声が多数聞こえてきそうですね。では、その疑問に答えていきましょう。

インドにはカレーという料理はない

「カレーの本場と言えばインド」というイメージが強いカレー料理ですが、実は、インドには、カレーという名の料理はありません。インドを植民地化しようとしていたポルトガル人やオランダ人が、現地の常食である香辛料たっぷりの汁物や煮込み料理などに初めて出会い、「カリ」と記録したのが、カレーという英語の語源だと言われています。カリは、タミル語(南インドのタミル人の言語)で「汁」を意味する言葉であり、インドの人たちが汁のことを「カリ」と呼んでいたのを、料理名だと誤解したのかもしれませんね。

ともかく、インドやその食文化の影響を受けた地域で食べられている料理は、野菜、豆、肉類、魚介類などを素材に、香辛料を多用してつくった「汁物」や「煮込み料理」であり、使われる香辛料もさまざまです。これらが現在のカレー料理のもとになったことは間違いありませんが、インドでは、あくまでそれぞれ固有の名前のついた各種料理であり、カレー料理ではないのです。

最近では、「インドカレー」を名乗るお店が日本にも多数ありますが、わかりやすさを考え便宜上つけられるようになったのが、始まりのようです。

「カレー粉」はイギリス生まれ

では、"カレーという料理"はいつどこで生まれたのでしょうか? どうやら、18世紀に世界をリードしていた大英帝国(イギリス)にルーツがあるようです。

インドを植民地化していたイギリスに、インドの香辛料をたっぷり使った肉や野菜の炒め煮をご飯にかけた料理が伝わり、C&B社(クロス・アンド・ブラックウェル社)が、それを簡単につくるための混合香辛料を開発し、「カレー粉」と命名したのが発端だと言われています。そしてこれがやがて、ヨーロッパのソースのもとであるルーにカレー粉を加えたカレーソースへと発展するのです。

「汁かけご飯スタイル」+「ヨーロッパ文明の香り」で人気に

明治初期に日本に伝わったのは、このイギリス料理としてのカレーでした。馴染みのある汁かけご飯スタイルでありながら、独特の香りがヨーロッパ文明の香りとして、日本人に受け入れられたようです。

中の具も、最初は肉類が中心だったようですが、シチューと合体させることで野菜をたっぷり加えるようになり、栄養のバランスもいい洋食のひとつとして広まっていったのです。

日本独自のカレー文化の誕生

「ジャガ・玉・ニンジン」は日本独自のカレースタイル

じゃがいも、玉ねぎ、にんじんは、日本人にとって、カレーライスの定番具材ですが、実は大きく切ったじゃがいもやにんじんを入れるスタイルは、インドの香辛料たっぷりの煮込み料理やイギリスのカレーにはなく、日本独自のものです。「ジャガ・玉・ニンジン」がカレーの定番になったのは、明治の終わりのころで、それまでは基本的には野菜は玉ねぎだけというイギリススタイルのものでした。しかも、明治の中ごろまでは日本では西洋野菜である玉ねぎがまだ一般的な野菜として流通していなかったため、もっぱら長ねぎで代用されていたといいます。

国産初のカレー粉をつくったのは?

イギリス料理として伝わったカレーライスは、当初、もっぱらイギリスのC&B社の輸入品が使われていましたが、1903年(明治36年)に初の国産カレー粉が登場します。つくったのは、大阪の薬種問屋「今村弥」です。カレーメーカーのひとつ、ハウス食品も前身は薬種問屋だったことを考えると、カレーのスパイスは漢方薬など東洋医学で薬品として使われるものが多く、カレー粉の材料が揃っていたということなのでしょう。

興味深いのは、国産初のカレー粉をPRする今村弥のキャッチフレーズです。「洋風どんぶりがうちでもつくれまっせ!」というもので、カレーを洋風どんぶりと呼んでいたわけです。今でも、日本のおそば屋さんなどには、「カレー丼」というメニューがありますが、カレー丼という形態は、早くからあったのですね。

日本独特の「固形カレールー」の登場

日本のカレーライスの最大のエポック(新しい時代)は、戦後の経済復興期に開発された、「固形カレールー」の登場です。1954年にヱスビー食品により、日本初の本格的固形カレーが発売され、その後、他のカレーメーカーからも固形カレールーが続々と登場。簡単・便利なルウカレーは、高度成長とともに瞬く間に食卓に浸透していきます。カレーは学校給食にまで進出し、"洋食"でありながら、「日本の国民食」と言われるまでになるほどに発展を遂げ、今に至るわけです。