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ファミレス事典

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フランス料理とイタリア料理の華麗な関係

ヨーロッパ料理の二大巨頭は、フランス料理とイタリア料理です。この2つの料理は歴史の中で華麗なる接点を持ち、世界に美食文化を広める役割を担ってきました。日本ではフレンチは高級料理で、イタリアンはもうワンランク気軽な西洋料理とのイメージがありますが、本場のヨーロッパでは少し違ったニュアンスでとらえられているようです。これら2つの料理の成り立ちからひも解いてみましょう。

フレンチのルーツはイタリアにあり

フレンチのルーツはイタリアにあり

とても有名な話なので、食通の方であればご存じだと思いますが、おさらいの意味も込めて、フレンチとイタリアンの成り立ちを辿ってみましょう。紀元前から5世紀にかけてヨーロッパの広大な地域を支配していた古代ローマ帝国は、美食の国としてもその名を馳せていました。権力者たちにとって腕のいい料理人を雇うことがステイタスであり、ゲストを招いては料理を自慢する慣習があったようです。料理人たちも、いい雇い主からオファーを受けられるよう研鑽を続けました。ローマ帝国が勢力を拡大するに連れ、その美食が各国の食卓を侵略していったのです。つまり、ヨーロッパのおいしいもののルーツを探すと、そのほとんどがローマに通じるというわけです。

フレンチとイタリアンの婚礼

フレンチとイタリアンが大きな接点を持つきっかけとなったのが、16世紀のルネサンス期に執り行なわれた婚礼にあります。これは、イタリアのフィレンツェを中心に強大な勢力を誇っていた名門貴族メディチ家の令嬢、カテリーナがフランスのアンリ2世に嫁いだのです。この時、カテリーナはお抱えのイタリア人シェフを引き連れてフランスに君臨し、フランス貴族の食卓を一変させたのでした。それ以前のフランス料理は、素材を焼いただけのシンプルな大皿料理が中心だったのですが、カテリーナの香辛料やソースをふんだんに使った料理が注目を浴び、フランスの王族や貴族たちも追随したのです。

食器やマナーもイタリア発祥

カテリーナは、料理だけでなく、食器やマナーもフランスに持ち込みました。ナイフやフォークは、もともとはイタリアで使われていたものです。また、フレンチのマナーとしてよく知られている「スープは音を立てずに食べる」といった行儀作法もイタリアの様式をアレンジしたものです。さらに、コース料理という発想そのものが、イタリア生まれで古代ローマから受け継がれた慣習だと言われています。こうした歴史を知ると、イタリア料理の奥深さを感じます。少しイタリアンに対する認識が変わったのではありませんか?

独自の発展を遂げたフレンチ

フランス料理が独自の発展を遂げたのは、18世紀の市民革命以降です。宮廷や貴族のもとで働けなくなった料理人たちが自前のレストランを開き、庶民も美食を楽しめるようになったのです。19世紀には料理の革命家として知られるユルバン・デュボアが登場し、料理が一品ずつ運ばれるサービスのスタイルを確立しました。その後、フランス料理の憲法のような存在である「料理の手引き」をまとめたオーギュスト・エスコフィエ、日本の懐石料理を取り入れて「新しい料理(ヌーベル・キュイジーヌ)」を発案したポール・ボキューズらが、フランス料理を洗練させながら、同時にシェフという職業の地位を高めていったのです。現代では、ジョエル・ロブション、ピエール・ガニエールらが、「現代の料理(キュイジーヌ・モデルヌ)」の名のもとに、挑戦的かつ芸術的な料理を創造し、注目を浴びています。一方、イタリア料理は、正式なコース料理を提供するレストランが人気を集めていますが、ピッツァ、パスタ、エスプレッソ・コーヒー、など単独のメニューが世界の日常的な食卓に浸透を続けています。それらのイメージが、イタリア料理を身近に感じる背景となっているのでしょう。そこには、かつて強大な古代ローマ帝国を築き上げたイタリアン・スピリッツが流れているのかも知れませんね。