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中華料理店事典

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日本と中国では成り立ちが違う!?野菜中心の精進料理

肉や魚を使わず、野菜をメインにした質素なイメージのある精進料理。「精進」とは、仏陀の教えを重んじて努力に勤しむことを意味する仏教用語です。その料理が日本に伝わったのは中国からであるため、当然ながら中国にも精進料理が存在します。しかし、今では日本と中国の精進料理では異なる点がいくつも見つかります。

中国の精進料理とはどのような物なのでしょうか。厳密には地方や民族によって差がありますが、ここでは一般的な物についてご紹介します。

日本と中国で異なる「精進料理」の成り立ち

日本と中国で異なる「精進料理」の成り立ち

日本と中国の精進料理では、まず成り立ちや性格が異なります。日本の精進料理は仏教と共に中国から伝わった物ですが、中国の精進料理はインドからの仏教伝来以前からあったと言われています。そのため、日本における精進料理は仏教の信仰からきている物。殺生を禁じる仏教の教えに基づいて肉や魚などを食べないという、仏道修行に励むための料理のことを指すのが一般的です。

一方、中国の精進料理は、「素菜(スーツァイ)」「素食(スーシー)」とも呼ばれる物で、仏教伝来よりも約千年以上昔、「殷」の時代からありました。祭祀などに関連して決められた期間は肉食をしないという習慣があったことがその始まりだと考えられています。のちに仏教が伝わると、その古来の習慣と馴染みながら、精進料理が広く受け入れられていきました。

唐の時代、宮廷では「もどき料理」が登場

中国では511年(継体天皇5年)に皇帝が僧侶に肉食と断酒を求める文章である『断酒肉文』を出したことで精進料理の定着が進んだと言われています。また、549年(欽明天皇10年)までに著されたとされる「北魏」の『斉民要術』のなかには、精進料理が31種類も記されています。「唐」の時代になると、野菜やキノコを使った料理のアレンジがさらに進化。宮廷では皇帝に豪華な印象の料理を出そうと、野菜や雑穀などで肉や魚の味や食感を再現する「もどき料理」が作られるようになったそうです。「宋」の時代に入ると市中に精進料理の専門店も現れ、「清」の時代には精進料理がさらに発展し、多彩なもどき料理が人々の目と舌を楽しませるようになりました。現在も、北京などの大都市にある精進料理レストランには、「もどき料理」のメニューが充実しています。

現代の中国の精進料理は4種類

現在の中国の精進料理は、仏教徒が日常的に食べる物と、一般の人が健康維持などを目的に一時的に食べる物とがあります。大きくは「寺観素菜」と「宮廷素菜」、「市肆素菜」、「民間素菜」の4種類に分けることができます。

使われる食材は、日本と同様に野菜やキノコ、豆腐、麩、そして中国独自の物としては緑豆や念珠藻、金針菜(ワスレグサのつぼみ)などがあり、調理法は煮物や蒸し物、揚げ物、炒め物が多いようです。今、中国には観光客が精進料理を体験できる寺院があり、気軽に食べられる麺類から予約が必要な手の込んだ宴会料理まで、様々な精進料理の例を実際に味わうことができます。

寺観素菜

寺院などで出される精進料理。殺生をしていない料理が基本になっています。

宮廷素菜

宮廷で出されていた物。皇帝の健康維持のための薬膳として食べられていたこともありました。

市肆素菜

市中の精進料理店で出される物。

民間素菜

一般の家庭で出される物。